季節毎にスポーツ栄養学コラムを掲載しています。
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過去に臨海球技場で限定販売しておりましたオリジナルスポーツ食「魚肉カレーフレンチドック」「ささみスイートチリホットドック」のレシピも紹介しています。

コーディスポーツ 管理栄養士 寺尾美佳



第 3 回:小松菜とスポーツ栄養


2018 年 9月

江戸川区ゆかりの食品とスポーツ栄養

 

第 3 回:小松菜とスポーツ栄養

 

 江戸川区は小松菜の生産量東京都第 1 位で全国でも屈指の生産量を誇っています。江戸川区のホームページではそんな小松菜の魅力をたくさん紹介しています。小松菜の名前の 由来や小松菜商品、小松菜レシピやイベント情報など。
江戸川区の農産を応援するキャラ クターのえどちゃんは小松菜をイメージしたキャラクターとして活躍しています。今回は、小松菜の栄養の特徴とスポーツする方にとって欠かせない栄養素である点をご紹介いたし ます。

 

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1)小松菜について

 

 小松菜は緑黄色野菜で抗酸化作用のあるβ―カロテン、ビタミン C、E がバランスよく含まれた野菜です。しかも野菜の中でもカルシウムの含有量はトップクラス。抗酸化作用があるため、細胞の老化やがんの発症を予防すると言われます。

写真は江戸川区の小松菜です。

 

 

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2)緑黄色野菜の特徴

 

 小松菜の他に、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などがあります。小松菜と同様にβ―カロテン、ビタミン C、カルシウム、鉄などビタミンやミネラルのほか、食物繊維が豊富に含まれています。緑、黄色が鮮やかな野菜はすべて緑黄色野菜と思いがちですが、実際は見た目の色ではなく、含まれているβ―カロテンの量が関係しており、100g中のβ―カロテンが 600μg(マイクログラム)以上のものを緑黄色野菜とよんでいます。
β―カロテンの特徴として体内でビタミンAというものに変わります。それは、目の健康、皮膚や粘膜の生成などに関わっている大切な栄養素になります。

 

 

3)小松菜とスポーツ栄養

 

 スポーツをしている、していないに関わらず、野菜を摂取することは必要なビタミン、ミネラルを取り入れ、身体の調子を整える役割があります。スポーツをしている人は運動量が多いことに加え、発汗量も多くそこから栄養素が流れ出ているとも言われますし、摂取しなければならない栄養素が一般の人に比べて多くなります。野菜には小松菜や人参などの緑黄色野菜ときゅうりやレタスなどの淡色野菜があります。どちらも必要ですのでバランスよく摂ることが理想です。運動強度が高くなればなるほど、疲労により食欲が落ちる、噛むこと自体疲れるといったことがあります。そんなときは、野菜であれば淡色野菜よりは栄養密度の濃い緑黄色野菜を勧めます。
緑黄色野菜に含まれるβ―カロテンは油脂に溶け込むと体内に吸収されやすくなる特徴があるので、煮物やスープにする際も軽く炒めてから煮ると効率よく栄養素が摂取できます。
小松菜を上手に取り入れて、身体の調子を整えていきたいですね。

 

 

コーディスポーツ

管理栄養士・公認スポーツ栄養士

寺尾 美佳

 

 

  • 材料(1個分)g(目安)
  •    
  • ★ソース
  •    
  • ○栄養価(1個分)
  • ○スポーツ栄養のポイント

第 2 回:小麦粉とスポーツ栄養


2018 年 6 月

江戸川区ゆかりの食品とスポーツ栄養

 

第 2 回:小麦粉とスポーツ栄養

 

 江戸川区の名産の一つにくずもちがあります。くずもちと言えば葛粉を原料として作っていると考えますが、江戸川区で作られているくずもちは小麦でんぷんを主材料にして作られています。今回は、小麦粉の種類やその特性をスポーツ栄養においてどのように活用できるかをお伝えします。

 

くずもち

 

 

1)小麦粉について

 

 小麦粉の特徴は水を加えると、たんぱく質であるグルテンの弾性や粘性が増して、パンが膨らみ、麺のこしが生じます。種類は薄力粉、中力粉、強力粉に分けられその違いはたんぱく質の含量となっています。薄力粉はたんぱく質の含量が少なく、粉が細かくて、菓子やケーキ、てんぷらの衣などに向いています。中力粉のたんぱく質の含量は薄力粉と強力粉の間であり、うどんや和菓子などに向いています。強力粉は一番たんぱく質の含量が多く、粉が粗くて、パンや餃子の皮などに向いています。

 

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2)小麦粉食品と GI 値

 

 GI 値(グリセミックインデックスの略)という言葉を聞いたことはありますでしょうか? この値は、食品を食べてから体内に消化吸収され、そのあとブドウ糖となって血糖値が上昇する速度を表しています。指数が高ければ吸収が早く、低ければ吸収はゆっくりであることを示しています。穀類の場合は精製したものほど指数が高い傾向にあります。パスタは、ごはんやパンに比べて GI 値が低い食品となります。

 

 

3)GI 値とスポーツ栄養

 

 食パン、うどん、フランスパンなどの GI 値が高い食品は吸収が早いという特徴があります。運動前や運動後に有効であり、体内のグリコーゲン(糖質が体内に入るとグリコーゲンとして蓄えられる)を回復させたいときにはよいと考えられます。ただ、GI 値は調理方法や食べ合わせによって変化するので、油を使って調理したものなどと一緒に食べると GI 値は低下します。

 GI 値が低い食品は、寝ている間など筋肉が糖質を必要としているときに血液中のグルコースの濃度を長期間高くしてくれます。ただ、消化吸収が遅く、食物繊維の含有量が多いため、量は食べづらいことも考えられます。

 小麦粉食品の特徴を知って、運動前後の補食や食事に活かしていきたいですね。

 

 

コーディスポーツ

管理栄養士・公認スポーツ栄養士

寺尾 美佳

 

 

  • 材料(1個分)g(目安)
  •    
  • ★ソース
  •    
  • ○栄養価(1個分)
  • ○スポーツ栄養のポイント

第1 回:オランダ料理とスポーツ栄養


2018 年 3 月

江戸川区ゆかりの食品とスポーツ栄養

 

第1 回:オランダ料理とスポーツ栄養

 

 来る東京2020 大会に向けて江戸川区はオランダの「ホストタウン※1」として登録されました。オランダの料理をスポーツ栄養の視点を交えてご紹介します。
※1:東京2020 大会に向け、スポーツ立国、グローバル化の推進、地域の活性化、観光振興等を図るために、大会参加国や地域との人的・経済的・文化的な相互交流を図る地方公共団体。(引用:江戸川区HP より)

1)スタンポット

 オランダ人は朝食と昼食はパン、チーズ、ハムなど簡単で火を使用しない冷たい物で済まし、夕食に温かい料理を食べることも多いそうです。調理法は蒸す、茹でる、煮込むといったシンプルなもの。今回ご紹介する「スタンポット」は温かい料理の定番です。じゃがいもや野菜を煮込んで潰し、盛り付けにソーセージや肉団子を添えるのが一般的です。

  • 材料(3~4人分)g(目安)
  • じゃがいも 570(小10個)
    茹でほうれん草 65
    牛乳 大さじ2
    バター 10
    ソーセージ 65(1本)

  • ★ソース
  • コンソメ 小さじ2
    料理酒 小さじ1
    牛乳 大さじ1
    ウスターソース 小さじ1
    バター 小さじ1
    ベーコン 17(2枚)
    大さじ2

 

 ※ソースの水の量は調整してください。

             

エネルギー

kcal

たんぱく質

g

脂質

g

炭水化物

g

スタンポット(写真の栄養価) 906 22.9 41.4 111.9
ソーセージ1本65g 210 7.5 19.4 1.3
ソースのみ 153 3.5 11.9 6.6

 

 

【作り方】

①鍋に塩を入れてじゃがいもを15~20 分茹でる。
②熱いうちに鍋の中で①を潰しながら、牛乳・バターを加えて混ぜる。
③茹でたほうれん草を食べやすい大きさに切り、②の鍋の中に入れて混ぜる。
④③の上にソーセージをのせ、蓋をして余熱で蒸す。
⑤ソースを作る。ベーコンを細かく切り、フライパンで炒める。
⑥火を止めてから、ソースの残りの材料を入れる。
⑦⑥を火にかけて混ぜ合わせる。
⑧ソーセージは好みのサイズに切って盛り付けし、ソースもお好みでかける。

メイン食材であるじゃがいもの主成分は炭水化物で、運動する際エネルギー源として期待できます。さらにビタミンC も豊富で抗酸化力に優れています。運動で体内に発生した活性酸素を取り除いてくれます。野菜はほうれん草を選びました。ほうれん草は緑黄色野菜でビタミン、鉄、カルシウムが豊富に含まれています。ソーセージは1 本65g の大きめのものを使いました。オランダではスタンポットの付け合わせにスモークソーセージを好む方が多いそうです。

 

 

 今回は右の写真のソーセージを使いました。スモークされており、香りがとてもよかったです。豚肉のソーセージやハム類は、疲労回復を助けてくれるビタミンB1 が豊富にふくまれますが、脂質も高いので食べる量に注意が必要です。

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全体の栄養価はソーセージとソースのベーコンで脂質が高くなりました。じゃがいもには炭水化物が豊富ですが、脂質が高いと消化に時間がかかることがあるため、運動前には控えた方がよさそうです。

下記の写真はソーセージをのせて25g の大きさにしてラップで丸めたものです。食べやすい1 口サイズにしました。

栄養価は1 個34kcal、たんぱく質1.0g、脂質1.8g、炭水化物3.6g です。練習後の食事や食欲が落ちている時などにいかがでしょうか?ソーセージの塩気でパクパク食べられるかもしれません。

 

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2)エルテンスープ

 

乾燥したえんどう豆を使ったスープです。オランダでは定番のスープで「おふくろの味」と言われています。たっぷりの野菜をじっくりコトコト煮るのでポタージュというよりは食べるスープになります。現地では盛りつけたスープにスプーンをまっすぐ立たせられる位の濃さがよいとされています。ライ麦パンを添えて食べることが多いそうです。

  • 材料(5~6人分)g(目安)
  • 乾)えんどう豆 250
    人参 150(1本)
    牛乳

    200(1個)

    バター 170(小4個)
    ソーセージ 195(3本)
    ベーコン 52(6本)
    3

 

             

エネルギー

kcal

たんぱく質

g

脂質

g

炭水化物

g

エルテンスープ(全量) 1987 89.3 85.0 217.6
ソーセージ1本65g 331 14.8 14.2 36.3

 

 

【作り方】

①乾燥えんどう豆をさっと洗い、半日くらい水につけておく。
②鍋に水1 リットルと①のえんどう豆と塩ふたつまみ位をいれて煮立たせ、沸騰したらあくを取る。
③人参・玉ねぎ・じゃがいもはみじん切り、ソーセージ・ベーコンは食べやすい大きさに切って②の鍋の中に入れる。
④弱火でトロトロになるまで煮込んで、塩で味を整える。

 

 

えんどう豆の主成分はたんぱく質と炭水化物です。豆類の種類として、あずきやそらまめ、いんげん豆はえんどう豆と同じでたんぱく質と炭水化物が多く、脂質が少ないです。私たちがよく食べるのは味噌などの調味料や豆腐、納豆など大豆の加工品が多いのではないでしょうか。大豆はたんぱく質と脂質が多く、炭水化物が少ないです。

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えんどう豆はビタミンA、ビタミンB1 も豊富に含みます。運動をしている人にとっては素晴らしい食材です。たくさんの野菜を一緒に煮込むことで栄養価もあがります。いつ食べてもよいですが、朝食は野菜料理が丌足しがちになるので、食べるスープとしておすすめです。
栄養価はソーセージとベーコンを入れたため脂質が高くなっています。脂質が気になるときはソーセージとベーコンの量を調整することや、代わりに豚肉を入れるのもよいと考えます。ソーセージやベーコンの量を減らすと塩気がなくなるので塩で調整もよいですが、チーズを入れる、パルメザンチーズをかけるのもおすすめです。 

 

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~終わりに~

運動をしている人は色々な食材から栄養を補うことによって、疲労回復が早まることや怪我の予防が期待できます。メイン食材のじゃがいもとえんどう豆は運動をしている人にとって毎日摂りたい栄養素が豊富に含まれています。紹介したオランダ料理は家庭料理でアレンジがきくものです。これを機に普段のレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか?

 

コーディスポーツ

管理栄養士・公認スポーツ栄養士

寺尾 美佳

 

 

 

  • 材料(1個分)g(目安)
  •    
  • ★ソース
  •    
  • ○栄養価(1個分)
  • ○スポーツ栄養のポイント

コラム「第4回:運動計画と食事の注意点について」


2017 年 12月

スポー ツ栄養のコラム

 

「スポーツと栄養」
第4回:運動計画と食事の注意点について

 

  寒くなってくると運動をする機会が減る方もいるのではないでしょうか?運動を始めてやっと継続できたところでストップしてしまうと次に運動を始めることがなかなかできないこともあります。また、寒いから…あたたかくなってからと引き延ばしにしていると運動する機会を失っていく場合もあります。運動を継続している人も今から始める人も是非、年間の運動計画を立ててみてはいかがでしょうか? 

 

1)運動計画の立て方は?

 

 運動計画と言われると、「大変そう」、「面倒だな」と思うかもしれませんが大切なことは「自分が続けることのできる計画」と「計画を常に見直す」ということです。そのためにまず、1年後の目標を考えるとよいでしょう。例えば、マラソン大会の完走や何m泳げるようになるなどです。

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 運動計画の基本は、「続けられること」なので、今から運動を始める人は、生活の中で身体を動かす機会を多く作るとよいでしょう。通勤時は階段を利用する、電車では座らない、掃除に雑巾がけをする、ラジオ体操をするなどです。また、万歩計などをつけて自分が1日にどのくらい歩いているか数値で確認するのもよい方法です。日常生活の延長上で身体を動かすことを1ヵ月ほど意識し続けられたら、その習慣を続けながら、次の約3ヵ月間は、日常生活以外に運動の時間を作ります。10分くらいからでも構いません。これも習慣になるよう時間や頻度は自分の負担にならないよう気を付けます。ここで具体的な目標を考えておこなうのもよいと思います。次の3ヵ月は、前の3ヵ月を振り返り、自分が立てた計画が予定通りなら時間や頻度を増やすことや前より高い目標を設定します。計画が予定通りでない場合は、初心にもどり、日常生活の中で身体を動かす習慣から見直し「継続できる自信を取り戻す」こともよいでしょう。
 半年くらいすると自信がついてくる人または、続かなくてやめようかなと思う人に分かれることがあります。そのような時は、1年後の目標を確認すること、家族や周りの人に話すことや、一緒に運動をしてくれる人を探すのもよいでしょう。
 運動計画とは少し違うかもしれませんが、運動を始めるに際には「シューズ選び」も大切なポイントになります。運動シューズが合わなければ足が痛くなり、もう動きたくないということになりかねません。自分の足に合ったものを選び、楽しく運動を始められると気持ちがよいですね。

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2)食事の注意点

 

 いつもより活動量が増えてきたら、より水分補給を意識します。「喉が渇いたから飲もう」ではすでに体内で水分が不足し始めており遅いです。喉が渇いたと感じる前にこまめに水分を補給することが大切です。起床後、食事中、通勤中、仕事中、家事の合間、入浴前後、就寝前など運動をする以外のときでも気を付けましょう。
 食事では活動量にあわせた量を摂るようにしましょう。個人によって身体で起こる代謝や活動量は違うので、自身で管理することが大切です。管理する方法の一つに体重を毎日決まった時間に測ることをお勧めします。自分の中でたくさん動いたからたくさん食べても大丈夫と思っていても、考えていた以上に運動した消費エネルギーが低いことがあります。運動による消費エネルギーより食事からの摂取エネルギーが高い場合が続くと体重は増えていく一方です。それを把握するのに体重測定はとても重要な役割を果たします。運動習慣とセットで体重測定も習慣化できると運動計画も立てやすいかもしれませんね。
 活動量が増えてどんな食品を多く食べればよいか?と考えますが、大切なのは1日の中でバランスよく色々な食品を食べることです。私たちは、○○だけを食べていたら体調がよくなるということは考えにくく、色々な栄養素をとることにより身体は作られています。まずは現在の食事で「偏り」がないか確認して、色々な食品を食べることを意識しましょう。

 

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 最後に、運動を始めたばかりの人は筋肉痛や足をつりやすくなることがあるかもしれません。筋肉痛は運動によって筋肉が損傷することによって起きているので、たんぱく質を摂り筋肉を修復して、身体の中の活性酸素を取り除くことが重要です。身体への吸収が早い鶏肉や抗酸化力の強い青魚がおすすめです。足のつりにはカルシウム・マグネシウムを意識的に多く取り入れると予防できます。両方が豊富に含まれている食品は桜エビや干しエビです。他にはほうれん草、海藻類、ナッツ類、ゴマがあります。どれも珍しい食品ではありませんので是非意識して摂ってみてください。

 

コーディスポーツ

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寺尾 美佳

 

 

  • 材料(1個分)g(目安)
  • ★ソース
  • ○栄養価(1個分)
  • ○スポーツ栄養のポイント

コラム「第3回:運動と免疫機能の関係について」


2017 年 9 月

スポー ツ栄養のコラム

 

「スポーツと栄養」
第3回:運動と免疫機能の関係について

 

 生活の中に適度な運動を取り入れ続けることによって身体の調子がよいと感じることはありませんか?適度な運動は感染症のリスクを減らすと言われています。頻度にもよりますが、マラソンなどの激しい運動や過酷なトレーニングは適度な運動と比較すると感染症を引き起こしやすいとも言われています。

 

1)運動と感染症予防の関係

 

 身体の中の免疫機能が高いと感染症予防につながりますが、まずは皮膚・粘膜などで防 御できるかどうかも重要なポイントです。スポーツ選手は皮膚・粘膜の感染症が多いと言 われています。その理由として、運動による高温、低温、乾燥、湿潤、紫外線、圧迫、外 傷、土壌などの外部環境からのストレスを受けることが多いからです。また、運動中には 骨格筋への血流が促進される一方で、皮膚・粘膜・内臓への血液循環が抑制されるため、 それらのバリア機能が抑制されて病原体が侵入しやすくなることからです。 運動の強度が高くなればなるほど呼吸数が増加し、口呼吸が主体となります。そうなる と微生物が気道深部まで到達しやすくなります。鼻水や咳、淡がでることによって取り込 まれた微生物を外にだすことになりますが、運動中には気道粘膜が乾燥・冷却されて、粘 液の粘度が増すことにより病原体を排除しにくくなり感染症のリスクにつながると言われ ています。激しいトレーニングを継続している選手は一般人と比較して、くしゃみ・鼻水、 咽頭痛を訴える人が多いという調査結果もでています。このようなことから、適度な運動 を継続しながら、運動後の手洗い・うがいが感染症予防にはとても大切だということです。

 

2)健康な身体を作るための運動習慣と食事のポイント

 

 運動を継続して習慣化していくには、徐々に運動量を増やして身体への急激なストレス 反応を避けることが免疫抑制や筋の炎症を予防することにつながります。個人差はありま すが、適度な運動の影響として風邪の症状の発生頻度が減少することや癌予防でも効果が 現れているとの報告もあります。 運動と一緒に食事にも気を配ることにより、体調を崩さず継続して運動をおこなえます。 継続しておこなうことにより免疫力も高まります。ウイルスに対する身体の抵抗力が弱っ ている時に風邪をひきやすくなります。風邪から症状が悪くなることがあるので日頃から 予防を心がけたいです。風邪予防のためにはビタミン A とビタミン C を積極的に食事の中 に取り入れましょう。ビタミン A は気管の粘膜を正常に保つ働きがあるため、不足すると 風邪のウイルスが気管の粘膜などから体内に侵入しやすくなります。ビタミン A を多く含 む主な食品はレバー、卵黄、チーズ、人参です。ビタミン C は体内組織の細胞と細胞を結 びつける働きのあるコラーゲンを作ります。コラーゲンが不足すると細胞の結合がゆるみ 抵抗力が低下し、ウイルスに感染しやすくなります。ビタミン C を多く含む主な食品はい ちご、オレンジ、ピーマン、キャベツ、じゃがいもです。ビタミン A,C ともに多く含む主 な食品は小松菜、ほうれん草、かぼちゃ、ブロッコリーです。 運動後は適切な栄養補給とともに休養をしっかりとることが大切です。

 

【参考図書】

・スポーツ現場に生かす運動生理・生化学,編者:樋口 満

・ウイダー・ニュートリション・バイブル

 

 

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管理栄養士・公認スポーツ栄養士

寺尾 美佳

 

 

 

  • 材料(1個分)g(目安)
  • ★ソース
  • ○栄養価(1個分)
  • ○スポーツ栄養のポイント

コラム「第2回:運動による疲労について」


2017 年 6 月

スポー ツ栄養のコラム

 

「スポーツと栄養」
第2回:運動による疲労について

 

 皆さんは運動をしていますか?運動をする目的は「試合で勝ちたい」、「体重を落とした い」、「健康のためになど人それぞれ違うと思います。運動の強度や時間にもよりますが、身体を動かすと「爽快感」や「疲労」を感じます。疲労については運動後に動けないくらいの疲労から運動自体が気分転換となるような心地よい疲労までこれも人それぞれ感じ方が違うと思います。

 

1)疲労の原因とは?

 

 「疲労」=「乳酸が溜まってきた」と考えている方がいるかもしれませんが、運動生理学上、乳酸は私たちが身体を動かすためのエネルギー源でもあります。もう少し詳しく説明すると、私たちは運動することによってエネルギーを消費しています。アスリートになるとこのエネルギー消費が一般の人より多いため、それだけ多くのエネルギーを摂取しなければいけないことになります。エネルギーは主に糖質、脂質から作り出され、それらは血 液、筋肉や肝臓、脂肪組織に貯蔵されています。私たちの血液中にある血糖(以下、グルコース)はほぼ一定に保たれています。グルコースがエネルギー源として使われて血糖値が低 下すると、肝臓に蓄えられているグリコーゲンが分解されてグルコースになり血糖値が上昇する身体の仕組みになっています。乳酸は何かというと、主なエネルギー源の「糖質」を利用する過程でできるエネルギー源物質です。

 運動による疲労原因は多くの要因が重なって現れています。近年、注目されているのが「リン酸の蓄積」です。リン酸は強度の高い運動(マラソンなど)で多くできると言われています。また、筋収縮の働きを悪くしていることもわかっています。通常筋肉内はカリウムが多く、血液にはナトリウムが多くあります。これはエネルギーを使ってこのような濃度差というものを作り、このため体内が電気的性質をもつことによって神経の刺激が伝わり筋肉が収縮して動かすことができます。ところが、強度の高い運動をしていると筋肉からカリウムが漏れ出し、ナトリウムが筋へ流れ込むことで筋肉の収縮が悪くなりこれが疲労の原因の一つとなります(図 1)。他にも、体温が上がることや活性酸素など色々なことが複合して疲労を起こしているということです。そして自分の状態にプラスして暑熱下や寒冷化での疲労も考えられます。

 また、乳酸が蓄積することにより、カリウムが筋肉から漏れ出すことによる筋収縮低下が抑えられることも報告されています。乳酸ができることは早くエネルギーを生み出したり、カリウムが筋肉から漏れ出すことを抑制したりと、乳酸ができるから疲労するということではなく、疲労するような運動をしているので、それを押さえようとして乳酸ができているということです。それが結果的に疲労している時と乳酸が多く蓄積している時が一致していたということです。

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2)活性酸素とは?

 

 疲労の原因の一つである活性酸素。テレビや雑誌などで目にすることが多いかと思います。身体に取り込まれた酸素のうち、約2%は金属イオンや酵素の影響を受けて反応性の高い活性酸素になります。この反応性の高い活性酸素は他の物質と結びつく力がとても強く、結びついた物質から電子を奪う(酸化する)性質があります。活性酸素から電子を奪われた物質は丌安定になり、今度はその物質自体が反応性の高い活性酸素となり、また他の物質から電子を奪って安定化しようとします。次々と反応性の高い活性酸素が身体でつくられていきます。活性酸素が生じるのは、生きていく以上避けられないことですが、私たちの身体の中には抗酸化物質が備わっていて普段は活性酸素を抑える役割があります。しかし、運動・精神的ストレス・喫煙・アルコールの摂りすぎなどで身体に負担がかかったときにはたくさんの活性酸素が発生します。
 運動量が多くなると活性酸素が増えますが、その働きを抑えてくれる抗酸化物質は食品からも摂取できます。ビタミン A(緑黄色野菜、レバー、魚介等)、ビタミン C(野菜、果物、イモ類等)、ビタミン E(ナッツ類、緑黄色野菜等)、などの栄養素や、カロテノイド(トマト、人参、かぼちゃ等)やポリフェノール(ココア、ブルーベリー、大豆、緑茶等)などの機能性成分は抗酸化機能が期待できます。普段の食事からバランスよく摂り入れることが望ましいです。

 

3)長く続けるために

 運動はすぐ疲れるから、活性酸素が増えるからと言ってやらないのではなく、どのような目的のために行うかを考えて取り組むことが大切だと思います。今回は運動による疲労についてお話しましたが、自身で感じる疲労感という感覚も大切にしてみましょう。自分の体調や疲労度を把握しておくことが長く、楽しく運動を続けるためには重要なことだと感じます。何事もバランスが大切です。

 

【参考図書】
・スポーツ現場に生かす運動生理・生化学,編者:樋口 満
・ウイダー・ニュートリション・バイブル

 

 

コーディスポーツ

管理栄養士・公認スポーツ栄養士

寺尾 美佳

 

 

 

  • 材料(1個分)g(目安)
  •    
  • ★ソース
  •    
  • ○栄養価(1個分)
  • ○スポーツ栄養のポイント

コラム「第1回:運動・スポーツ時の水分補給について」


2017 年 3 月

スポーツ栄養学のコラム

 

「スポーツと栄養」
第1回:運動・スポーツ時の水分補給について

 

皆さんは運動・スポーツをするとき何をどのくらいの頻度で飲んでいますか?

 

1)発汗について

 

 身体を動かせば汗をかきます。汗をかくことは、暑熱環境下の運動・スポーツ時にはとても 大切な働きです。汗をかくと皮膚の表面で蒸発するしくみになっています。汗が蒸発するとき に皮膚表面の熱を奪い、体温を下げようと働きます。

これを「有効発汗」と言います。

しかし、すべての汗がこのように蒸発するわけではなく蒸発する前に身体の表面からしたたり落ち ることもあり、これを「無効発汗」と言います。

汗の蒸発の度合は、外気の湿度に影響されます。

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湿度が高いほど熱の放散が制限されるため、無効発汗が多くなります。

 運動・スポーツ時には湿度を確認してから始めるとその日の汗のかき方にも違いを感じられるかもしれません。

また、体調のバロメーターとして確認することで、運動・スポーツの質も上がるのではないでしょうか。

 

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2)喉の渇きと水分補給について

 

 私たちは日常生活を送っている際も身体から水分 が失われており、「喉の渇き」を感じることによって調整しています。

運動・スポーツ時には「喉の渇き」 が遅れて表れると言われています。それは、体内の水 分が丌足してもすぐに喉が渇くわけではなく、汗で失った水分の回復が遅れることを指し、脱水になりやす い状況となります。

ですから、運動・スポーツ活動中 は意図的にこまめに水分補給する必要があるということです。

 

3)脱水と水分補給について

 

 「脱水」が運動パフォーマンスを低下させることは、数多くの研究で証明されてきました。では、「脱水」にならないよう、どのような水分補給が望ましいかということですが、 運動・スポーツ時には「喉の渇き」が遅れることを考慮し、飲みすぎを危惧するより脱水予防が重視されるようになりました。

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推奨される飲水量の目安は、運動・スポーツ前後で 「体重減少が 2%を越えない程度の水分摂取量」とされています。

毎回、体重を計測できる環境にあればよいのですがなかなか容易ではないことも考えられます。さらには個人の体重や元々の発汗 量なども考慮する必要があります。

まずは、自身の「喉の渇き」 というものを意識して運動・スポーツ活動を実施してみることを お勧めします。

 

4)低ナトリウム血症について

 

 近年のマラソンブームで様々なマラソンイ ベントが開催されており、「マラソンをはじめた」という方もたくさんいるかもしれません。

マラソンやトライアスロンなどの長時間スポ ーツは適切な水分補給が行われないと熱中症 や脱水が起こることが多いですが、脱水とは反対に水の飲みすぎで血液中のナトリウム濃度が低下する低ナトリウム血症の場合もあります。

水中毒とも言われ、細胞の水が過剰になる 現象です。

発症例では、やはりほとんどが発汗量以上に水を飲みレース後に体重が増えて いたケースが多いそうです。

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長時間のスポーツ活動では、熱中症のリスクとともに、飲みすぎによる低ナトリウム血症のリスクも認識し、普段から自身にあった水分補給を知っておくことが大切です。

 

 

5)胃の通過速度から考える水分補給

 

 ここまで運動・スポーツ時の発汗・脱水症状から水分補給の重要性について述べてきました。

最後にどのような内容のものが好ましいかということですが、飲んだ水分は、小腸、 大腸から吸収されて、胃では通過するだけで吸収されません。しかし、胃を通過する速度は様々なものの影響を受けることがわかっています。影響を受ける中で、甘い飲み物、温かい飲み物ほど胃の通りは遅くなります。したがって、胃の通過する速度から考えた運動・ スポーツ活動中の飲料として好ましいものは、飲料として糖質の濃度が低く(甘すぎない 飲み物)、冷たいものが胃の吸収が早いということです。

胃の通過速度は個人差が大きいこ とと、飲んだ水分が胃にたまりやすい人もいるので、飲む量を控えるなど個人で調整する必要はあります。また、冷たすぎる飲み物はお腹をこわす人もいるので気を付けなければいけません。やはり日頃から自分にあった水分補給というものを意識して、調整し、試合などの大切な日に向けて考えることが重要ということです。

 

6)まとめ

 

 これまでなんとなく運動・スポーツ時はスポー ツドリンクを飲めばよい、熱中症予防のためにた くさん飲めばよいと思っていた方がいるかもしれません。

しかし、一度水分補給の目的を考え、 自身の発汗量を知り、どれくらいの水分量を補給すれば運動・スポーツを楽しむことができるのか、 大切な試合の日に自分の力を発揮できるのかということを考えるきっかけとなれば幸いです。

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※参考図書 スポーツ現場に生かす運動生理・生化学,編者:樋口 満

 

コーディスポーツ

管理栄養士・公認スポーツ栄養士

寺尾 美佳

 

 

 

  • 材料(1個分)g(目安)
  • ★ソース
  • ○栄養価(1個分)
  • ○スポーツ栄養のポイント

魚肉カレーフレンチドック

  • 材料(1個分)g(目安)
  • コッペパン 36
    レタス 10
    魚肉ソーセージ 37(1/2本)
    スライスチーズ 9(1/2枚)
  • ★ソース
  • フレンチドレッシング 6(小さじ1)
    カレー粉(赤缶) 0.2
  • ○栄養価(1個分)
  • エネルギー・・・215kcal
    たんぱく質・・・9.6g
    脂質・・・・・・9.3g
    炭水化物・・・・23.1g
    食塩・・・・・・1.6g

  • ○スポーツ栄養のポイント
  • ・魚肉ソーセージは炭水化物(糖質)も摂れるたんぱく質で低カロリー、低脂肪。
    ・カレー粉の香辛料には食欲増進を助ける働きがある。

ささみスイートチリホットドック

  • 材料(1個分)g(目安)
  • コッペパン 36
    レタス 10
    ささみ 30
    とるけるチーズ 9(1/2枚)
  • ★ソース
  • スイートチリソース 2
    ケチャップ 2
    中濃ソース 2
    0.1
    こしょう 0.1
  • ○栄養価(1個分)
  • エネルギー・・・170kcal
    たんぱく質・・・12.0g
    脂質・・・・・・4.4g
    炭水化物・・・・20.4g
    食塩・・・・・・1.0g

  • ○スポーツ栄養のポイント
  • ・ささみのたんぱく質は消化しやすく、低脂肪である。消化の良さを考慮するとより運動・スポーツ前の補食として有効と考えられる。
    ・チーズはカルシウム、ナトリウムを多く含む。ミネラル、たんぱく質補給に役立つ。