季節毎にスポーツ栄養学コラムを掲載しています。
臨海球技場でスポーツを楽しむための参考にしてください!
過去に臨海球技場で限定販売しておりましたオリジナルスポーツ食「魚肉カレーフレンチドック」「ささみスイートチリホットドック」のレシピも紹介しています。

コーディスポーツ 管理栄養士 寺尾美佳





大学生・社会人のスポーツ活動について


2020年 12月号

2021年   1月号

大学生・社会人のスポーツ活動について 

 

 

【大学生・社会人の食事の摂り方、注意点】
大学生または実業団に入ったら、一人暮らしをする人もいると思います。食事を作る大変さやありがたみを感じることもあるでしょう。毎日外食だと金銭的に厳しいことも考えられます。調理をしながら、上手にお惣菜などを利用して、自分の体調の整え方やどのようなものを食べたらよいのかを考えるよいきっかけになればいいですね。

栄養素はバランスよく摂取することを心がけます。年齢が上がるにつれて疲労がとれにくくなる、怪我が増えるなどの身体の不調、トラブルが増える傾向にあります。食生活の重要性を、身をもって感じることができるのではないでしょうか。

 

 

①偏りに注意する
自分で調理する場合、作れるもの、作りやすいものになりがちです。「またこのメニューか」とならないためにも食事日記をつけることをおすすめします。食材を箇条書きにするだけでもよいです。1週間記入したら、①同じ食品をチェック、②食べていないものを書き出して翌週に生かすことが大切です。写真を撮るのも手軽でよいですが、実際に書き出すことで頭が整理され、考えやすくなるでしょう。

 コラム12・1月号-1  

 

②どうする?アルコールとの付き合い
交流関係が広がり、アルコールを飲む機会が増える人もいると思います。今の時代、無理にお酒をすすめるということはなくなってきましたが、時には誘いを断ることや、初めから自分は飲まない意思を相手に伝えることも必要だと感じます。

 

 

アルコールを飲んでからすぐ運動する人は少ないと思います。しかし、練習後にアルコールを飲むことはあるかもしれません。運動量やアルコールの量にもよりますが、運動による脱水症状とアルコールによる脱水症状が一緒におこることが危険です。どうしても飲まなければいけないとわかっている日の運動前、運動中、運動後にはいつも以上に水分補給に気を配る必要があります。できるだけこまめに補給します。

ほかにも、①一気飲みをしないこと(ゆっくり飲む)、②夜は遅くまで飲まないこと、③一緒に食べるものを考えること、④お酒がストレス発散にならないよう解消法を見つけること、⑤毎日飲まないことです。

 ①一気飲みしないこと(ゆっくり飲むこと)は、空腹でいきなりアルコールを飲まないことでもあります。空腹時に大量に飲んでしまうと低血糖になり、昏睡状態になることもあります。

 ②夜は遅くまで飲まないように気を付けます。二日酔いのまま運動することも大変危険だからです。肝臓がアルコールを解毒している途中であり、脱水症状を起こす可能性もあります。

 ③一緒に食べるものを考えることは重要です。アルコールの代謝に必要なビタミンB群と、肝臓の働きを促進するたんぱく質を摂るように心がけます。

 ④お酒がストレス発散にならないようにすることは、一回のお酒の飲む量を増やさないためにも重要です。色々なストレス発散方法を考えてみましょう。

 ⑤毎日飲まないことで肝機能を低下させないようにします。

 

適度なアルコール摂取は食欲を増進させ、緊張をほぐすなどの良い面もあります。自分の競技や運動習慣でどのような目標があるかを再度確認して、アルコールとの付き合い方を考える必要がありますね。

コラム12・1月号-2  

 

 

【おすすめレシピ】
鮭のホイル焼き
鮭はEPA,DHAが豊富に含まれています。脳の神経細胞の膜を柔らかくすると言われており、気持ちを落ち着かせてくれる効果があります。鮭は癖がなく、1年中食べられる
調理しやすい食材となっています。好きな野菜やきのこ類で簡単に作れるのでおすすめです。

コラム12・1月号-3  

 

~材料~【1人分】
鮭…80~100g
人参…20g
えのきだけ…20g
☆醤油…小さじ2
☆酒・みりん…各小さじ1
☆バター…10g

~作り方~
1 アルミホイルの上に鮭、薄切りにした人参、ほぐしたえのきを並べる。
2 蒸し器または鍋にお湯を張り、蒸す準備をする。
3 Aの調味料をかけて、アルミホイルを閉じて約10分蒸していく。
(途中、様子を見る)

~栄養価~(鮭100gの場合)
エネルギー247kcal、たんぱく質24.0g、脂質12.3g、炭水化物8.2g

 

 

以上  

 

 

 

高校生のスポーツ活動について~後編~


2020年 10.11月号

高校生のスポーツ活動について 
~後編~

 

 

【高校生の食事の摂り方注意点】
 部活動が終わって、家に帰るまでの間、お腹が空いて何か食べているかもしれません。そのとき、スナック菓子や炭酸飲料を食べたり飲んだりしていませんか?お菓子や砂糖の入った甘い炭酸飲料はそれだけでお腹が満たされてしまい、その後の食事に影響があると考えられます。それは量の問題もありますし、部活動で動いた後に必要な栄養素が摂れなくなり質の問題にもなります。部活動が終わって、次の食事を摂るまでの間に何か食べるときは考えて摂るようにしたいですね。
例えば、炭酸飲料よりは、たんぱく質が補えるヨーグルトドリンクや牛乳、ビタミンCが豊富な100%オレンジジュースやグレープフルーツジュースがおすすめです。量もペットボトルの500mlではなく、パックジュースの200mlくらいが次の食事に支障がないと考えられます。
スナック菓子よりは、運動で使ったエネルギーの補給と壊れた筋肉を修復するために糖質とたんぱく質が一緒に摂れるおにぎり、サンドイッチや肉まんがおすすめです。タイミングよく補食を摂ることで、疲労回復促進に努めたいですね。

 column_200910  

 

【高校生はなかなか補食が摂りにくい?】 
 もしかしたら学校で食べることを規制されている場合があるかもしれません。身体を動かしている分、栄養を摂らなければ、怪我などに繋がり運動を続けることが難しくなることもあります。是非、顧問の先生にはタイミングのよい補食の重要性を理解していただき、練習だけに目をむけるのではなく、身体のこと全体で考えてほしいと思います。 

 

【おすすめレシピ】 

 柿と人参のサラダ
人参にはビタミンA、柿にはビタミンC、カッテージチーズにはたんぱく質が含まれています。免疫力アップにはこの3つの栄養素が欠かせません!

column_200910_2  

 

~材料~【8~10人分】 
柿…100g
人参…120g
☆カッテージチーズ…40g
☆オリーブオイル…大さじ1
☆ポッカレモン…小さじ1

 

~作り方~
①人参の皮をむき、ピーラーで薄くして、塩小さじ1をもみこむ
②柿を薄く食べやすい大きさに切る
③①が5分ほどたったら、水で洗い絞る
④☆をよく混ぜ合わせる
⑤②~④を和えて、冷蔵庫で半日ほど冷やす

柿とは思えず、食感が愉しい1品です。鍋やおでんの箸休めによいかもしれません。
柿の程よい甘さがカッテージチーズと合いました。
アクセントはブラックペッパーやレモン汁をプラスしてみてはいかがでしょう。

~栄養価枚分~
エネルギー147kcal、たんぱく質3.8g、脂質6.4g、炭水化物17.5g

 

以上  

 

 

 

高校生のスポーツ活動について~前編~


2020年 8.9月号

高校生のスポーツ活動について 
~前編~

 

 

【高校生はどんな時期?】
 身体の筋肉や骨格が発達し、成長ホルモンの分泌もピークを迎えます。部活動では筋力トレーニングを本格的に始めるにはよい時期とされていますが、過度の負荷は怪我の原因となります。指導者の考え方、トレーニングメニューや練習方法も重要になります。卒業後の競技生活に大きくかかわる大切な3年間になります。 

 column_0818_01  

 

【セルフケアを考える】 
 身体は出来上がっていきますが、どの年代でも個人差はつきものです。他と比べるのではなく、自身の身体との向き合い方を多方面から考えられる時期でもあります。競技力向上のために、「練習」以外の「食事」、「休養」、「メンタル」についてのセルフケアの方法を指導者や仲間と一緒に考えることが大切です。
「食」に対しても、男女関係なく、食べるものに偏りがみられ、周りの影響を受けやすくなります。チームなどで意識を高めるような習慣や定期的な勉強会も有効だと考えます。

 

【おすすめレシピ】 

 いりこと桜エビのチーズせんべい
カルシウム豊富ないりこ・チーズとマグネシウム豊富な桜エビをフライパンでカリカリに
焼きました。カルシウムは骨の成分になりますが、身体に吸収されにくいので、マグネシウムやビタミンDと一緒に摂ることで骨への吸着が高まります。最強タックのせんべいです。いりこ、桜エビ、チーズの塩気があるので味付け不要。
親御さんもお酒と一緒にたのしめる一品となりました!

column_0818_02  

 

~材料2枚分~
●桜エビ3.5g
●いりこ10g
●小麦粉小さじ1
●水小さじ1~2
●とろけるチーズ10g(お好み)
●油小さじ1

 

~作り方~
①桜エビといりこと小麦粉と水をボールに入れて混ぜる
②フライパンを熱して油を入れて、①を丸く平らになるように広げる
③分量の半分のチーズをのせる
④焼き色がついたらひっくり返し、残りのチーズをのせる
⑤チーズに焼き色がついたらまたひっくり返す
※チーズでいりこと桜エビをつなぎ合わせます

~栄養価2枚分~
エネルギー117kcal、たんぱく質11.2g、脂質6.4g、炭水化物2.4g、カルシウム354mg

 

以上  

 

 

 

小学生・中学生のスポーツ活動における スポーツと食事ポイント


2020年 6.7月号

小学生・中学生のスポーツ活動におけるスポーツと 食事ポイント
~後編~

 

 

【小学生・中学生に不足しがちな栄養素】
 「たんぱく質」・「カルシウム」・「鉄分」が不足しがちです。 

columnimg_200701  

 小学生は脳や神経系が著しく発達する時期なので、5大栄養素の糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルを3度の食事でバランスよく食べる食習慣を身につけることが大切です。特に神経系の発達にはたんぱく質、カルシウム、鉄分などが必要です。カルシウム、鉄分は身体に吸収されにくいので多めに摂ることや吸収を良くしてくれる栄養素と合わせて食事に取り入れていきましょう。カルシウムの吸収を助けてくれる栄養素はビタミン D やマグネシウムです。ビタミン D は鮭、ウナギ、さんまなどに多く含まれます。マグネシウムは大豆製品、ごま、アーモンド、桜エビなどに多く含まれます。

 

 columnimg_200702  

 個人差はあるものの小学生高学年から中学生になると、呼吸循環器系が発達し、持久力がつきやすい時期です。また、身長の伸びも著しいので、バランスよい食事+カルシウムやたんぱく質を摂り、骨を丈夫にします。鉄分も不足しがちで、鉄分の吸収を阻害する緑茶やコーヒーの摂取をなるべく控えましょう。 

 

【心の変化に対して保護者ができること】

この時期の理解と見守り、向き合えた時に食事からアプローチも。

columnimg_200703
 

 特に中学生になると、自分の身体の変化に戸惑い、敏感になりがちです。その戸惑う心と身体のバランスがうまくとれず、もしかしたら自分で食事を制限することや、偏った食事をするかもしれません。そのような行動にはなにか理由があると考えられ、保護者としては食事のバランスなども気になりますが、時には見守ることも大切です。日頃からコミ ュニケーションをとっていても、この時期は心のバランスを保つのが難しいと考えられます。そこを理解した上で子どもと向き合えた際には、一緒に今の食事について話し合ってみるとよいでしょう。子どもの今の悩みや変化を聴くことにより、食事の内容を改善することで解決できることがあるかもしれません。例えば、肌荒れには脂質が多い食事または間食に偏っていないか、あるいはビタミン、ミネラルを含む野菜、果物、イモ類を食べていないか、などです。身体をつくっているのは、日々の食事です。食事の話がきっかけでお子さん自身がよい身体の変化を実感できるといいですね。 

【睡眠時間の確保が成長に繋がる】
深い眠りを作り成長ホルモンを出すために寝る前の環境整備をしましょう。

 

 

columnimg_200704

 

 これまで成長ホルモンは夜の 10 時~12 時くらいに分泌されると言われてきましたが、寝てから2時間くらいで約 80%でるそうです。成長ホルモンは深い睡眠でなければ出ないので寝る前の環境も非常に大切です。寝る前には、室内をいつもの明かりよりひと段階おとし、脳に「寝る時間」をお知らせすることが大切です。また、就寝30分前はスマホ、テレビの使用を控えましょう。あとは、前編でも述べたように、できるだけ決まった時間に起きて、朝食を食べることをお勧めします。 

参考:睡眠学、宮崎総一郎

 

 

【おすすめレシピ】
 さつまいもの豆乳きな粉がけ
さつまいもはビタミン C と食物繊維を多く含み、排便をサポートしてくれます。 豆乳ときな粉でたんぱく質を補えます。簡単にできます!
成長期のお子さんのおやつにいかがですか?

columnimg_200705

 

~材料2人分~
●さつまいも 200g
●バター8g
●きな粉大さじ 2
●調整豆乳 100cc

 

~作り方~
①さつまいもの皮をよく洗い、食べやすい大きさにきって水にさらす。
②水気をキッチンペーパーでふき取り、鍋に豆乳とさつまいもを入れて煮る。

 

columnimg_200706

 

③ 汁気が少なくなってきたら、バターを入れて煮る。
④ 汁気がなくなったら火を止め、きな粉で和える。

※豆乳を完全に煮詰めず、お皿に盛りつけたあとできな粉をかけて食べても美味しいと思います!汁気があることで食べやすいと考えられます。

~栄養価1人分~
エネルギー224kcal、たんぱく質 5.3g、脂質 6.9g、炭水化物 36.1g、ビタミン C29mg

 

 

以上  

 

 

 

小学生・中学生のスポーツ活動における スポーツと食事ポイント


2020年 4.5月号

小学生・中学生のスポーツ活動におけるスポーツと 食事ポイント
~前編~

 

 

【小学生・中学生はどんな時期?】
 心身ともに発育・発達がとても著しい時です。 一つの競技に打ち込みすぎると、身体に大きな負担を与えてしまい、発育が阻害されることも考えられます。競技を上達させるという考え方よりも健全な発育・発達のためにできることを一番近くにいる保護者が実践して 見守って いくことが大切です。

【規則正しい食生活こそが今後の可能性をのばす】
 「できるだけ決まった時間に起きる」こと、「3食食べる」こと、「身体を動かす」こと、この3つができていれば 自然と眠くなり、十分な睡眠をとることに繫がります。 今日からすぐにできることは「できるだけ決まった時間に起きる」ことだと考えます。

 

 

生活習慣による普段の体調への影響について、睡眠時間と口内炎の発生率を掛け合わせた調査があります。(図1)

 スポーツをする子どもの全体の15.4 が「口のはじが切れたり口内炎がよくできる」と答えていました。

 このうち、睡眠時間が8 時間未満の場合、口内炎の出現率が全体平均よりも最も高くなる傾向が認められました。

別の全国調査によると、睡眠時間が 8 時間以上の場合、 8 時間未満の子どもと比較して、体力が高い傾向がみられると報告させています。 (引用:小・中学生のスポーツ栄養ガイド)

column2004_1

 

 共働きの家庭が増えており、自身の体調管理も大変だと思いますが、まずはお子さんと一緒に起きる時間について話し合ってみてはいかがでしょうか?
 小学生 ・中学生での 規則正しい食生活は重要で 、保護者のサポートが欠かせません。 健全な発育・発達は規則正しい食生活の積み重ねです。心身ともに健康な状態で発育していくと何かをやってみたい、チャレンジしたいという気持ちが強くなります。当たり前になっている食 生活リズムをもう一度見直してみ ませんか?

 

 

【よく噛んで食べることの大切さ】
 子どもは一度に口に入れる量が多くなり、噛めずにすぐ飲み込むことが多いと思います。
内臓や消化器官が発達段階にあるため、消化がうまくできず排泄量が多くなることも見られます。いつも言い続けるのは大変ですが、 今のうちからよく噛んで食べることの大切さを伝えていきましょう。 適量を口の中にいれて、よく噛んで食べることが消化吸収能力を鍛えることにも繋がります。高校生や大学生になって一つの競技に打ち込み身体づくりをおこなう際にもこの消化吸収能力はとても重要です。どんな状況でも よく噛んで 食べられることは 身体づくりに欠かせません。 

 

 

【おすすめレシピ~かぼちゃムース~】
牛乳はたんぱく質とカルシウムが豊富に含まれています。
ゼラチンは関節の靭帯や粘膜を強くする働きや再生するサポートをします。成長期のお子さんにはぴったり。

 

column2004_2

~材料 4 個分~
●かぼちゃ 200g
●牛乳 400ml
●砂糖 40g
●粉末ゼラチン 10g
●生クリーム 50ml
 

~作り方~
①かぼちゃは 1 2 ㎝くらいに揃えて切り、耐熱容器に入れてラップをかけて、 電子レンジで 600w 約 4 分加熱して柔らかくする。
②生クリームを角が立つまで泡立てておく。
③ ゼラチンは水 30ml で ふやかす 。
④①のかぼちゃを電子レンジから取り出したらフォークで細かく潰す。
⑤鍋に④と牛乳を加え、弱火でよくかき混ぜる。
⑥砂糖を3 回に分けて加え、③も加えてかき混ぜる。
⑦火を止めて、②を加えて切るようにして混ぜ合わせる。
⑧器に⑦を入れ、冷蔵庫で冷やす。

~栄養価~※写真のトッピングの生クリームは栄養価に含まれていません
エネルギー214kcal 、たんぱく質 6.7g 、脂質 9.6g 、炭水化物 25.4g 、カルシウム125mg

以上 

 

第14回: 混合系スポーツの献立 例


2020 年 2月

 

 

第14回:混合 系スポーツの献立例

 

 

 前回、 混合 系 スポーツ の栄養素のポイントをご紹介しました。今回は ポイントとなる栄養素を取り入れた 夕食の 献立例 をご紹介します。以下のエネルギー設定になっています。

 1 日のエネルギー摂取量は約 2,500kcal の設定です。1 日約 2,500kcal を必要とする選手はトレーニング期の女性選手や減量中の男性選手です。
日本人の食事摂取基準※1で 1 日約 2,500kcal を必要とするのは、18~49 歳の身体活動レベルⅡの男性になります。1 日約 2,500kcal について朝食は約 750kcal、昼食は約750~1000kcal、夕食は約 1,000kcal としました。

※1:健康な個人または集団を対象として、国民の健康の保持・増進、生活習慣病の予防のために参照するエネルギー及び栄養素の摂取量の基準を示すもの

 

 

【写真1:混合系スポーツの夕食献立 例】

 

column_2002_1

 

カテゴリー
料理名
kcal
主食
親子丼
735
主菜
 
 
副菜①
ひじきの煮物
39
副菜②
ピーマンのツナ和え
22
副菜 (汁物)
大根とハムの中華スープ
33
牛乳・乳製品
低脂肪牛乳
92
果物
みかん
46
エネルギー
1,172kcal
たんぱく質
48.2g
脂質
35.7g
炭水化物
159.5g
亜鉛
4.7mg
ビタミン C
106mg

 

 主食と主菜が同時に摂れる親子丼にしました。練習後で疲れている時や食欲があまりないときは汁気を多くすることで食べやすくなります。当たり負けしない身体を作るためにもたんぱく質が必要です。鶏肉、卵は良質なたんぱく質です。他のたんぱく質源としてツナやハムを使いました。
 鉄分補給のため、ひじきの煮物にしました。かぼちゃのサラダにもレーズンを入れました。ビタミン D はナッツ類に豊富に含まれています。小腹がすいたときにもお勧めです。
みかんはビタミンCが多く含まれています。今の時期、風邪予防としても欠かせません。

※献立内容はあくまでも通常練習中の夕食を想定しています。

 

 

【料理の作り方】

 

主食・主菜
親子丼(1人前)
白飯 ・・・ 250g
鶏もも肉 ・・・ 100 g
玉ねぎ ・・・ 3 0g
小葱 ・・・ 3 g
卵 ・・・ 50 g
合わせ調味料
水・・・100cc
醤油・・・12cc
酢・・・50cc
酒・・・25cc
みりん・・・6cc
酒 ・・・ 5 ㏄
だし粉末 ・・・ 1 g
column_2002_2

① 鶏肉を食べやすい大きさに切る 。
②玉ねぎ、小葱を切る。
③合わせ調味料を鍋に入れて沸騰させる。
④鶏肉、玉ねぎを入れる。
⑤煮汁が少なくなってきて火が通ったら、溶きほぐした卵を流し入れて蓋をする。
⑥小葱をかけて出来上がり。

 

副菜①
ひじきの煮物(約6人前)
ひじき(乾)・・・ 11 g
しいたけ・・・25g
人参・・・100g
油揚げ・・・20g
顆粒だし ・・・ 2 g
醤油・・・ 18 ㏄
酒・・・ 15 ㏄
砂糖・・・ 4.5 ㏄
油 ・・・ 5cc
column_2002_3

①乾燥ひじきはもどしておく。しいたけ、人参、油揚げは食べやすい大きさに切る。
② フライパンに油を入れて、まず人参を炒める。その次に残りの材料を炒める。
③ 調味料を入れて、落とし蓋をして弱火で煮る。
④ 汁気がなくなったら出来上がり。

 

 

副菜②
ピーマンのツナ和え 約 3 人前
ピーマン ・・・ 30 g
ツナ缶、ライトフレーク ・・・ 80 g
醤油 ・・・ 6cc
column_2002_4

①ピーマン、パプリカを食べやすい大きさに切る。
②フライパンにツナ缶を入れ、炒める。
③①も入れて炒め、醤油で味を整える。

 

副菜③
かぼちゃのレーズンサラダ 約 3 人前
かぼちゃ ・・・ 100 g
干ぶどう ・・・ 30 g
砂糖 ・・・ 15 g
マヨネーズ ・・・ 30g
アーモンド・・・ 15 g

column_2002_5

①かぼちゃを2 センチくらいの角切りにして、深めの耐熱皿に入れ、大さじ1の水をふりかけ、電子レンジに 600W4~5 分かける。
②かぼちゃが柔らかくなったら、すぐにつぶして、砂糖を加え、混ぜる。
③冷蔵庫で冷ます。アーモンドを細かく切っておく。
④かぼちゃが冷めたら、マヨネーズ、干しぶどう、アーモンドを入れて混ぜ合わせる。

副菜(汁物)
大根とハムの中華スープ 約 3 人前
大根 ・・・ 100 g
ツナ缶、ライトフレーク ・・・ 80 g
ハム ・・・ 40 g
ごま ・・・ 1 g
中華だし ・・・ 2g
column_2002_6

①大根、ハム は食べやすい大きさに切る。
②鍋に水と大根を入れて柔らかくなったら、中華だしを入れ、最後にハムを加えて火を止める。
③ ごまをかけて出来上がり。

牛乳・乳製品
低脂肪乳
低脂肪乳・・・200ml

 

 

果物
みかん
みかん・・・1個100g

 

コーディスポーツ

管理栄養士・公認スポーツ栄養士

寺尾 美佳

第13回:混合系スポーツの食事ポイント


2019 年12 月

第13回:混合系スポーツの食事ポイント

 

 

 混合系のスポーツは、全力で走る瞬発力と筋力を必要とするプレーや道具を使い長時間動き続ける持久力が必要になります。多くのスポーツが当てはまりますが、主な競技はサッカー、バスケットボール、野球、テニス、卓球などが挙げられます。栄養素のポイントは第1・2回の持久力系のポイントと第3・4回の瞬発力系のポイントの両方を上手く取り入れることです。特に糖質、ビタミン B 群、鉄、たんぱく質が重要です。さらに球技種目のバスケットボールやサッカーでは相手との接触が多くなります。
接触の衝撃に耐えられる当たり負けしない丈夫な骨格と筋肉、そして柔軟で強い靭帯が必要とされます。たんぱく質、カルシウム、ビタミン C も積極的に摂取します。

column1912_01

当たり負けしない丈夫な骨格と筋肉

骨を丈夫にするためにはたんぱく質が重要です。たんぱく質を摂った上で、骨の成分であるカルシウムを乳製品や小魚、海藻から摂ります。カルシウムはそれだけで摂るより、サポート役のビタミン D やマグネシウムを一緒に摂ることで骨への吸着が高まり太くて丈夫な骨が作られます。ビタミン D は鮭やウナギに、マグネシウムは豆類や海藻類に多く含まれます。また、ビタミン K を一緒に摂ると、骨からカルシウムが排泄されるのを防ぐ働きがあります。ビタミン K は納豆やにらに多く含まれます。

 

 

column1912_02

 

 

柔軟で強い靭帯
靭帯を強くして、修復するためにはまず、たんぱく質を 3 食いろいろな種類から摂りましょう!特に肉の中でもおすすめは鶏肉ですが、魚、豆・大豆製品からもバランスよく摂ることが大切です。たんぱく質だけでなく、ビタミン C も一緒に摂ることが重要です。果物の中では、オレンジやキウイフルーツに多く含まれます。野菜の中ではブロッコリー、芋類の中ではじゃがいもからも積極的に摂りたいですね!
柔軟さは腱や関節の動きをスムーズにすることも重要で、怪我の予防にも役立つものにコラーゲンがあります。コラーゲンは、ゼラチン、なんこつ、魚の皮や鶏手羽先などに多く含まれます。特に煮物にすることで煮汁にコラーゲンが溶け出すので、汁まで残さずに食べると良いでしょう!

 

参考・新食品成分表、東京法令出版
  ・スポーツ栄養学、箸)寺田 新
  ・アスリートのための栄養・食事ガイド

 

 

コーディスポーツ

管理栄養士・公認スポーツ栄養士

寺尾 美佳