運動後の疲労回復について 〜10・11 月編〜
2023年 10月号
運動後の疲労回復について
〜10・11 月編〜
第 4 回目は「代謝を促す栄養素の観点」から疲労回復を考えます。
代謝とはそもそもどのようなことを指すのでしょうか?
私たちが食べ物を食べると体内に吸収された栄養素が身体を作る材料になり、
身体を動かすエネルギーになります。代謝とは、食べ物が体内の酵素の働きに
よって吸収・分解される身体の中での化学反応になります。
代謝にも種類がある
代謝は3種類あります。私たちの1日のエネルギー消費量から考えてみまし
ょう。一つ目は私たちが生きていく上で、必要最低限のエネルギー消費量とい
うものがあります。基礎代謝量といって、呼吸や身体の臓器が働いているだけ
で消費されるエネルギーのことです。二つ目に食事誘発性熱産生というものが
あります。これは食後、代謝が増えることによってエネルギーが消費すること
を指します。三つ目は活動時代謝量といって生活の違いが最も大きな部分で、
日常生活における活動(着替えや買い物など)や姿勢の保持や貧乏ゆすりなど
意識していない活動によるエネルギー消費量も含んでいます。
代謝を上げるメリットは?
よく、「代謝を上げましょう!」と耳にすることがあると思います。代謝を
上げると具体的にどんなことが起こるのでしょうか?
代謝が上がるということは、まず基礎代謝量が上がります。基礎代謝量が上が
るということは、脂肪が燃焼しやすくなり太りにくい身体作りができます。さ
らに新陳代謝が活発になり、身体の血行が良くなるので、冷えや肩こりの改善、
健康維持に効果的です。
代謝を上げるためにできることは?
食事を摂ることで誘発する代謝もあるという話をしました。まずは、自分に
合った食事のリズムを見直すことが大切です。
腸内環境と代謝の働きも密接な関係があるので、腸内環境を整えることも大
切です。日頃から発酵食品(味噌、納豆、キムチなど)や食物繊維(根菜類、
フルーツ、野菜など)の摂取を心がけましょう。
特に大切な栄養素はビタミンB 群です。摂取した栄養素をエネルギーに変え
て基礎代謝を上げる働きをします。ビタミン B1は糖質をエネルギーに変える働
きをします。食品は豚ヒレ肉、きな粉、豆腐、玄米などに多く含まれています。
ビタミン B2は糖質・脂質をエネルギーに変える働きをします。食品はレバー、
さば、卵、牛乳、納豆などに多く含まれています。ビタミン B6は疲労回復とた
んぱく質、脂質の代謝を促進してくれます。食品はカツオ、さんま、サケ、鶏
ささみ、バナナ、じゃがいもなどに多く含まれています。このように代謝の観
点から疲労回復を考えることで、日常生活で積極的に摂りたい食品が挙げられ
ます。さらに日常生活での活動量を増やすことも意識してみましょう。
第 5 回目は、疲労回復時間から考える栄養摂取についてです。
〜おすすめレシピその1〜
【切って漬けるだけ!長芋ときゅうりの和え物】
季節の食材は【長芋】です。長芋の主な栄養成分は水溶性の食物繊維です。
胃腸の働きを助けてくれます。大和芋と似ているのですが、それよりは水分
が多く粘り気が少ないので、今回のような和え物やサラダにするなどアレン
ジが効きます。箸休めの1品として作り置きしておくのも良さそうです!冷
蔵庫では3日くらい日持ちします。
材料 5 人分
・長芋…100g
・きゅうり…1本
・かんたん酢…お好み
・炒りごま…適量
作り方
1 長芋ときゅうりは食べやすい大きさに切る。
2 きゅうりは塩を少々揉み込んでおく。
3 きゅうりの水分をしぼり、長芋と合わせて、ヒタヒタに浸かるくらいか
んたん酢に漬けて、冷蔵庫で1時間くらい冷やす。
〜おすすめレシピその2〜
【ネギ焼き】
季節の食材は【長ネギ】です。11 月〜2 月くらいまでが旬です。緑色の部分
にはビタミン、カリウムなどの栄養素があり、白い部分には硫化アリルを多く
含みます。ビタミン B1が多く含まれており、疲労回復にも役立ちます。混ぜて
焼くだけの簡単レシピです。好きなタレやさっぱり酢醤油で食べるのもおすす
めです。
材料 1 枚分
・薄力粉…100g
・卵…1 個
・水…100ml
・長ネギ…1 本
・だし…8g
・胡麻油…適量
作り方
1 ねぎは食べやすいように薄く切る。
2 材料をよく混ぜる。
3 フライパンを熱して胡麻油を入れて両面を焼く。
参考書:旬の野菜の栄養事典
以上