運動後の疲労回復について 〜4・5 月編〜
2023年 4月号
運動後の疲労回復について
〜4・5 月編〜
令和 5 年度栄養コラムのご紹介
いつも栄養コラムを読んでくださりありがとうございます!令和5年度の栄養
コラムのテーマは「運動後の疲労回復について」です。運動後はどういう状態
なのか、どのような栄養素が必要か?などを 6 回に分けてお伝えします。あわ
せて季節の食材を使った疲労回復レシピもご紹介します。おたのしみに!
第1回目は「運動後、身体はどんな状態なのか?」運動後の身体に起こってい
る状態を把握すれば、どのように身体をケアして、どのようなものを摂取する
と良いのかを考えられますね。
運動中、自分自身で感じる身体の変化は運動の内容や個人によって違いますが、
「息が上がってきた」、「身体の◯◯が痛い」、「汗がたくさん出てきた」は
わかりやすい変化ではないでしょうか。もちろん「気持ちの良い疲労感」や「達
成した疲労感」なども人それぞれです。一番大切なのは、自身の身体の変化を
できるだけ客観的に把握することです。そうすると「これくらいの運動をする
とこうなるから運動前はここの部分のストレッチを入念にしよう!」とか「い
つもはこれくらい汗をかくけど、今日はいつもより寒いから防寒対策が必要か
な!」など事前に対策ができます。無意識に考えて実践している人が多いかも
しれませんが、怪我なくその運動を長く続けるためにも今一度、「運動の目的」
や「運動後の自身の身体の状態」を書き留めておくことをお勧めします。
先ほどは自分で感じる感覚的な身体の変化の話でした。目に見えない私たちの
身体の中では、運動によってホルモンの変動があり、生理学的な現象として心
拍数の上昇、筋肉への血流の増加が顕著にみられます。代謝の亢進も運動によ
って引き起こされます。代謝の亢進とは、私たちが食べたものが体内で食物を
消化・吸収してエネルギー源となります。栄養素である糖質・脂質・たんぱく
質から運動に必要なエネルギーを作り出し、そのエネルギーを利用することで
す。そのエネルギーは運動中だけに使われるものでなく、運動後も身体を回復
させるためにエネルギーを消費しています。
もう少し詳しく説明すると、運動中にエネルギー源として使われる栄養素の割
合は、運動の強度によって変わります。(人によって違いますが)強度が低い
運動では脂質をエネルギー源として使用する割合が増え、強度が高いと糖質を
エネルギー源として使用する割合が増えます。先ほども述べましたが、運動後
も身体を回復させるために代謝亢進は続きます。特に強度が高い運動をおこな
った場合、運動中に使われた糖質を肝臓や筋肉に補填するために、身体の中で
は脂質も使われます。
このように私たちの身体の中ではさまざまな栄養素が運動によって消費した
エネルギーを回復するために一生懸命働いています。
第2回目のコラムでは、基本的な疲労回復の考え方をご紹介します。
〜おすすめレシピその1〜
【ふきとベーコンの炊き込みご飯】
季節の食材は【ふき】です。ふきの主な栄養成分はカリウムと食物繊維です。
カリウムは体内の水分バランスを調節してくれます。筋肉の収縮や弛緩の働
きを正常に保つために作用します。アク抜きはしますが、旬のふきはあくが
少なくさわやかな香りがベーコンの旨味とマッチした1品となりました!
材料2合分
・ふき(下処理後)…150g
・ベーコン…100g
・油揚げ…1 枚
・顆粒だし…小さじ 1
・酒…大さじ 1
・醤油…大さじ2
・みりん…小さじ 1
ふきの下処理
1 さっと洗い、一番口径が大きい鍋かフライパンに入る大きさに切ります。
(皮むきが楽になるからできるだけ長めに切りたいので。)
2 まな板で板ずりします。
(塩を大さじ 1 ふきにかけ、まな板の上でふき同士をこすり合わせます)
3 塩がついたふきのまま沸騰したお湯の中に入れて数分茹でます。
4 水にとり、太い方から皮と筋をむきとります。
5 反対側からも同じことをやるとむき残しがありません。
作り方
1 食材は食べやすい大きさに切ります。
2 米は洗って浸水(1時間以上)しておきます。
3 材料と調味料を入れてから、2 合を炊く時のように水を入れます。
4 炊き上がったら、軽く混ぜ合わせ、お好みで白ゴマをふりかけます。
〜おすすめレシピその2〜
【豚肉と筍の甘辛焼き】
季節の食材は【筍】です。筍の主な栄養成分はカリウム、マンガンなどのミネ
ラルが豊富です。旨味成分のアスパラギン酸を多く含んでいるので身体の代謝
を高める働きや疲労回復にも効果があります。甘辛いタレに絡ませるので、ご
飯が進む1品となりました!
材料 2〜3 人分
・豚ロース肉…10 枚
・水煮筍…110g
・焼き油…適量
・醤油…大さじ 2
・みりん…大さじ 3
作り方
1 水煮筍は沸騰したお湯で数分下茹ですると風味が戻ります。
2 1 を豚肉に巻きやすい大きさに切ります。
3 豚肉に塩胡椒と片栗粉(適量)をまぶします。
4 筍を豚肉で巻きます。
5 巻き終わりが下にくるようにフライパンに並べます。
6 両面焼いたら、余分な油は拭き取って、あわせておいた調味料を入れて肉
に絡めます。
以上