第9回:持久力系スポーツの食事ポイント
2019 年 4月
『TOKYO2020に向けて競技別の食事ポイントを知ろう!』
平成31年度の”臨海球技場スポーツ栄養学”のコーナーは、持久力系・瞬発力系・混合系スポーツの食事ポイントをご紹介いたします。
競技を体験するだけでない、競技の特性や食事の摂り方を知ることでその競技を身近に感じて選手を応援したいですね。
第9回:持久力系スポーツの食事ポイント
持久力系のスポーツは、ある強度の運動を長い時間継続することです。マラソン、クロスカントリースキー、スケートの長距離、水泳の長距離などが挙げられます。
栄養素のポイントは①炭水化物(糖質)※1+脂質、②ビタミンB 群、③鉄+ビタミンCです。
※1:炭水化物は「糖質と食物繊維」のことを指します。食物繊維はエネルギー源にはなりません。
【①炭水化物(糖質)+脂質】について
運動中の主なエネルギー源は炭水化物(糖質)と脂質です。糖質を食べると消化吸収されてブドウ糖(グルコースとも呼ばれる)となり血液中を流れていき、体内でエネルギー源として利用されます。また、体内に貯蔵できる糖質として「グリコーゲン」という状態で肝臓や筋肉に蓄えられます。グリコーゲンは必要時にブドウ糖としてすぐエネルギー源になりますが、グリコーゲンの貯蔵できる量が脂質に比べると少ないので脂質も適量摂ることが大切です。
持久力系スポーツの競技力向上のためには、運動前もしくが運動中に糖質を十分に摂取して、体内のグリコーゲン貯蔵量をできるだけ増やしておくことが重要です。
運動前にスポーツドリンクなどで糖質を摂るときの注意点としては、大量に摂取することは避けたいです。理由は、運動誘発性低血糖を防ぐためです。運動開始30 ~45 分ほど前に大量に飲んでしまうと運動開始と同時に血糖値が低下し、場合によっては低血糖症になることが報告させています。予防策としては大量に摂りすぎないこと、運動の約1 時間~1 時間半前に糖質を摂取することで血糖値の上昇が落ち着いてから運動を開始できること、運動の直前に摂取することで運動によってインスリンの分泌が抑えられます。また、血糖値の上昇度を示した指標でGI 値がありますが、GI 値が低い糖質を運動前に摂取することも有効だと考えられます。
| 【②ビタミンB 群】について 糖質と脂質だけ摂っていれば運動中のエネルギー源をカバーできるわけではありません。身体を動かすためのエネルギー源を体内で作るときにはビタミンB 群が欠かせません。 ビタミンB1 は玄米ごはん・豚ヒレ・大豆(乾)などに、ビタミンB2 は豚レバー、牛乳、ヨーグルト、納豆、卵、まいたけなどに多く含まれています。意識して摂ることが大切です。 |
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【③鉄+ビタミンC】について
持久力系スポーツでは、鉄欠乏性貧血の選手が多くなる傾向にあります。事前に予防することも大切です。また、①の脂質についての補足にもなりますが、体脂肪がエネルギー源として利用させるにはそれを運んでくれる酸素が必要にもなります。そこで各細胞に届けるためには血液中のヘモグロビンが必要になります。ヘモグロビンをつくる栄養素は鉄になります。鉄を身体に効率よく摂りこむためにビタミンC が欠かせません。セットで摂ることを覚えておくとよいでしょう。
鉄は鶏レバー、カツオ、小松菜、あさり、ひじきなどに多く含まれています。ビタミンCは野菜・果物・いも類に多く含まれています。酸味のあるものを食べると胃酸が分泌されて鉄も吸収されやすくなるので、果物は特に柑橘系の果物やキウイ、いちごなどを組み合わせるとよいでしょう。
参考)・新食品成分表、東京法令出版 ・スポーツ栄養学、箸)寺田 新
コーディスポーツ
管理栄養士・公認スポーツ栄養士
寺尾 美佳



























