第6回:小麦粉とスポーツ栄養
2018 年 6 月
江戸川区ゆかりの食品とスポーツ栄養
第 6 回:小麦粉とスポーツ栄養
江戸川区の名産の一つにくずもちがあります。くずもちと言えば葛粉を原料として作っていると考えますが、江戸川区で作られているくずもちは小麦でんぷんを主材料にして作られています。今回は、小麦粉の種類やその特性をスポーツ栄養においてどのように活用できるかをお伝えします。
1)小麦粉について
小麦粉の特徴は水を加えると、たんぱく質であるグルテンの弾性や粘性が増して、パンが膨らみ、麺のこしが生じます。種類は薄力粉、中力粉、強力粉に分けられその違いはたんぱく質の含量となっています。薄力粉はたんぱく質の含量が少なく、粉が細かくて、菓子やケーキ、てんぷらの衣などに向いています。中力粉のたんぱく質の含量は薄力粉と強力粉の間であり、うどんや和菓子などに向いています。強力粉は一番たんぱく質の含量が多く、粉が粗くて、パンや餃子の皮などに向いています。
2)小麦粉食品と GI 値
GI 値(グリセミックインデックスの略)という言葉を聞いたことはありますでしょうか? この値は、食品を食べてから体内に消化吸収され、そのあとブドウ糖となって血糖値が上昇する速度を表しています。指数が高ければ吸収が早く、低ければ吸収はゆっくりであることを示しています。穀類の場合は精製したものほど指数が高い傾向にあります。パスタは、ごはんやパンに比べて GI 値が低い食品となります。
3)GI 値とスポーツ栄養
食パン、うどん、フランスパンなどの GI 値が高い食品は吸収が早いという特徴があります。運動前や運動後に有効であり、体内のグリコーゲン(糖質が体内に入るとグリコーゲンとして蓄えられる)を回復させたいときにはよいと考えられます。ただ、GI 値は調理方法や食べ合わせによって変化するので、油を使って調理したものなどと一緒に食べると GI 値は低下します。
GI 値が低い食品は、寝ている間など筋肉が糖質を必要としているときに血液中のグルコースの濃度を長期間高くしてくれます。ただ、消化吸収が遅く、食物繊維の含有量が多いため、量は食べづらいことも考えられます。
小麦粉食品の特徴を知って、運動前後の補食や食事に活かしていきたいですね。
コーディスポーツ
管理栄養士・公認スポーツ栄養士
寺尾 美佳